ゼーヤーブーミ僧院を訪問

8月16日(木)メイッティラー市郊外のゼーヤーブーミ僧院(ベーダーラン)を訪問

メイッティラー市で30年に渡って英語を中心とする語学の寺子屋教育を行っているダマタラ師が現在活動場所としているゼーヤーブーミ僧院を訪問しました。

この僧院で師が主宰する語学教育と慈善活動の団体「ベーダーラン」は、まさにJMCCの原点。一番弟子だったマヘーマーが来日後、その精神を引き継いで日本で設立したのがJMCCなのです。

私たちが訪れたこの日、ダマタラ師は何やら忙しそう。聞くと、12月に出版予定の英文法解説書を執筆中とのことでした。語学の話となるとつい熱が入ってしまいます。しかし、そうこうしているうちに、英語の授業の時間となり、学生たちが集まってきました。そして授業は始まったものの、ほどなく一番弟子のマヘーマーが学生に紹介され、いつの間にやら「ミャンマー語の乱れ」に話題が移って行きました。

ミャンマー語には、その時々の流行り言葉があります。今なら「လူတိုင္းလူတိုင္း(ルーダインレーダイン)」や「အယ္လဲ့(エーレ)」といったところでしょうか。こういった言葉は大概がFacebook発。ミャンマーで大流行のFacebookはネット解禁後、いろいろな面で良くも悪くもビルマ社会に少なからぬ影響を与えています。言葉の面では流行語を生みだしたり、あいさつ言葉としてあまり使われなかった「ありがとう」を意味する「ေက်းဇူးတင္ပါတယ္(チェーズーティンバーデー)」を「ေက်းဇူးပါ(チェーズーバー)」という簡略した形で定着させたのは、Facebookだと言っていいでしょう。

そのFacebook上で、半ば面白半分でわざと正しくない綴りのミャンマー語を書くことが若者の間で流行っています。同時に故意ではなく単に無知に起因する誤表記も横行し、それが発音の「誤り」というべきか、「変化」というべきかは断定しがたいのですが、とにかく教科書通りではないイレギュラーな発音の横行に拍車がかかっているようです。

 

そのあたりについて、最も顕著な例のひとつが「__က္(カッター)」の発音です。

「__က္(カッター)」は一種の母音記号で、発音は「エッ」ですが、これを「アッ」と発音する人が特に若者の間で増えてきています。※「アッ」は「__ပ္(パッター)」や「__တ္(パッター)」で表記される。そこで、今回、ここの学生さんたち15名に協力していただき、どれくらい増えてきているのかを確認をしました。

発音していただいたのは、「難しい」という意味の「ခက္တယ္(ケッテー)」です。

結果は、4人ほどが正しく発音していましたが、残りの方々は「カッテー」と発音していました。

元々、__က္(カッター)の「エッ」という発音はアッに近く、__ပ္(パッター)や__တ္(タッター)の「アッ」の発音もエッに近いですから、聞き分けづらさはあります。

学生さんたちに発音していただき、興味深かった点は、何回か全員に発音してもらっているうちに、正しく発音していた4人も、最後には誤った発音に引きずられ全員「カッテー」になってしまった点です。

良し悪しは別として、言語の発音が変化していく過程を目の当たりにした感じです。

さて、こうした”言葉の乱れ”に対して、政府は正しい表記や発音をするよう、呼びかけて指導しているようですが、なかなか難しいようです。

少なくとも学校では正しい発音を指導しているそうなので、成績優秀な生徒に発音してもらうと、大抵ちゃんと正しく「ケッテー」と発音するようです。

30年に渡って独学で会得した英語や日本語を僧院で教え続けているダマタラ師。
JMCCの原点となった師の活動に敬意を表して寄付させていただきました。
近年は、地元の大学からの要請で講師として英語を教えに行っているダマタラ師。
執筆中の英文法解説書について語る。
午後4時から始まった英語の授業。
この日の生徒のほとんどは大学生。
授業の途中で紹介されたマヘーマー。「軍政時代は物資も情報も乏しく、とても不便だったが、ゆえにいろいろ工夫したことが自分の原動力となっている」と、当時の苦労を、若者たちにユーモアを交えて語る。
そうこうしているうちに始まった発音調査。手前左から3人目の赤い衣装の女学生は、ခက္တယ္を正しく「ケッテー」と発音していましたが、周囲につられて(?)徐々に「カッテー」に変化。
発音調査に楽しく協力してくれた学生さんたち。ありがとうございました。