第1弾(11月23日)は、ビルマの少数民族シャンの代表的麺料理で、ビルマ全国で一般的な料理となっている「シャンカウスエ」です。
シャンカウスエは、米を原料とする麺料理で、地方によって麺の製法に違いがあり、ふたつに大別することができます。ひとつは北部・南部、もうひとつは東部で、前者は中国の雲南料理、後者はタイ料理に近い系統といえます。
両者のうちで、ビルマ全国で一般的になっているのは、北部・南部のものです。そして、この系統の麺には、原料の米が、ジャポニカ種(短粒米)に似たシャン米とインディカ種(長粒米)のビルマ米といった具合に2種類あり、その食感にはかなりの違いがあります。本場シャン州では粘り気のあるシャン米の麺が主流ですが、ビルマ全土ではビルマ米の麺が一般化しています。ビルマ米の方は、シャン米ほどの粘り気はありませんが、パラパラしたインディカ種とは思えないような適度なもっちり感があり、ビルマ人の間で大人気となっています。このビルマ米の麺は、同じインディカ種でも製法の違いによって、タイの米の麺であるクイティオとはかなり食感が異なるのです。
ビルマ本土の麺は、日本国内においては、都内の輸入雑貨店やシャン料理店といったところでも入手できませんが、今回の教室では、この本場の麺を体験することができます。
今回の講師は、ミニコミ誌『バダウ』の発行人である落合清司氏。本場北部シャンの中心都市ラーショーで麺の達人から伝授された技を、参加者に体験していただきます。
第2弾は、オンノ・カウスエです。これは、小麦粉が原料の中華麺を使った麺料理で、ビルマ民族の麺料理としてはモヒンガーと並ぶ代表的な一品です。
ビルマ料理は、隣国タイと違い、ココナッツを使ったり、甘く味付けたりした料理があまりありません。そうした特徴の中で、ココナッツミルクを使ったやや甘みのある味付けのオンノ・カウスエは、代表的な一品であると同時にやや特殊な存在といえるかもしれません。いずれにせよ、味のベースとなるたまねぎと鶏肉のエキスがココナツミルクと絡み合ったスープは絶妙な旨みにあふれており、ビルマ人に大人気の麺料理となっています。
今回の講師は、前回の料理教室に引き続き、ドー・ミンミンチー先生。JMCCの歴代料理講師の中でもその腕前はナンバーワン。とにかくどんな料理もおいしいと大評判です。料理が大好きなビルマのご婦人が、実に手際よく本場ビルマの味と技を教えてくれます。
すぐに定員になってしまいますので、参加ご希望の方は、お早めにお申込みください。