今回取り上げるのは、ビルマ料理の本場といえるアニャー(上ビルマ)の料理です。アニャーというのは、マンダレー、バガン、メイッティラーなどを含む上ビルマ地方のこと。かつての王都マンダレーがあるこの地方のビルマ料理は、伝統的な味付けがその特徴。例えばヒン(カレー風煮込み)の場合、調味料として魚醤をあまり使用しません(調理人によってはまったく使わない)。香辛料についても、トウガラシの使用量は少なく、そこにはビルマ料理本来の素朴な味があります。
そうした伝統的な味わいは、飲食店にはない家庭料理の中に、とりわけ見出すことができます。今回はそんなアニャーの典型的な家庭料理を体験します。