スンヂュエと誕生日食事会

11月16日(土)スンヂュエ(僧侶にお食事を差し上げる) と誕生日食事会

ミャンマーの仏教徒の間では、何かを催す際、必ず僧侶を招いてお食事を差し上げる「スンヂュエ」が催されます。例えば最も日常的と言えそうなのが、誕生日の際。在日ミャンマー人社会では、安居明けから、たとえば「息子の誕生日にスンヂュエをするから食べに来て」といった感じのお誘いが盛んになってきます。

こうしたスンヂュエでの定番料理のひとつが「ダンバウ」です。

ダンバウというのは、元々はインドのビリヤニという炊き込みご飯。つまり一種の外来料理ですが、既にすっかり土着化して、もはやミャンマー料理と言える存在となっています。日本で言えばカレーライスに相当するような国民食。元々のビリヤニとは異なる美味しさにあふれた料理となっています。

日本では人を家に招く際に「遊びに来てね」と言ったりしますが、ミャンマーでは「食べに来てね」と言います。家に招くこと=食べさせること、と言っても過言でないのがミャンマーの文化。ですから、一旦招かれたら、食べずに帰ることはまずありません。急用が入った場合には、日本ならば「顔だけ出して」あいさつして少しお話しをして、という感じですが、ミャンマーではそうはいきません。一旦顔を出したら、「時間がないなら、話はいいからとにかく食べて」となり、食べてもらうことが最優先。もちろん、そうでない場合もありますが、これがミャンマー文化の基本です。

お客さんにご馳走することが大切なので、催し物の際には、みんなが喜ぶ料理を食べてもらいたい。ダンバウは、家庭で手軽に作ることができないことも相まって、人々に振る舞う料理の定番中の定番となっています。

今回、JMCCでは、11月生まれの所長と同じ誕生月のミャンマー人とが一緒に誕生会を催すこととなり、それに際して僧侶をお招きしてスンヂュエを行いました。料理はダンバウ。日本では、当然ミャンマー料理店でも食べることができますが、最も美味しいのは中板橋僧院のドー・スーザンのダンバウ。ミャンマーのヤンゴンにはチェッシャーズンやニーラーといった有名ダンバウ専門店がありますが、それに匹敵、あるいはそれ以上という評判の一品。この名人が腕によりをかけた絶品ダンバウ50人前が、大勢の来場者に振る舞われました。

朝10時から始まったスンヂュエは僧侶が11時にお帰りになった後、誕生日食事会となり、途中ミャンマー語の授業をはさんで夜10過ぎまで続き、みなさんお腹一杯で満足の一日となりました。ご来場の方々、ダンバウを食べに来てくださり、本当にありがとうございました。

 

まずはお説法。今回は、ミャンマーで修業された日本人僧侶をお招きしたので、日本語でも説明されました。
食卓をあげてスンカッ(一緒にお食事を差し上げる)をします。
鶏のモモ肉(またはムネ肉)、バーラチャウン(ふりかけ)、ヒンアニッ(おかずのエキス)、アチン(酢もの)を添えて食べるダンバウ。絶妙なバランス。
お帰りになる僧侶と恒例の写真大会。
そして食事会。その間、自己紹介も。(写真提供:鈴木一登氏)
ミャンマー語の授業が始まっても食事会は続く。
そして誕生日会。(写真提供:鈴木一登氏)
さらにその間、英語雑誌の取材も。(写真提供:鈴木一登氏)
夜11時過ぎの帰途、ダンバウを作ってくださったドー・スーザンとばったり。ありがとうございました。