サイクロン被災地住民への支援⑤

サイクロン被災者支援活動について

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《  第5回支援活動  》2009年12月26日~2009年1月5日

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①援助活動実施地域・・・イラワジデルタ地帯
◆エーヤワディー管区デーダイェー
(デーダイェー市内・チョウンチン村)
②援助内容・・・民家の建設
(チョウンチン村・デーダイェー市内に計20軒)
③執行額・・・2,227,000チャット
④現地調査
海外のイスラム団体が行った家屋の骨組み援助は、貧困世帯を対象とすることを趣旨としていたが、実際の運用は各村の書記などの執行部に任されており、その実態は村によって異なる。
チョウンチン村では、本来無償援助であるところを「有償」という運用がなされた。この村では120件の援助が執行されたが、1軒あたり15000チャットの“手数料”が設定され、それを支払えない貧困世帯は援助が受けられなかった。結果的に援助対象は金銭面で比較的余裕のある世帯が中心となり、また村の執行部も手数料として総額180万チャットを得た。
モービー村では、チョウンチン村のような「有償」という運用はなされなかったが、援助対象は、本来想定されていた貧困世帯に必ずしも限られなかった。この程度の状況は、どの村でも共通している、というのが現地村民の共通認識である。
こうした状況の背景には、富裕層の「私たちも同じ被災者だから、援助に際しては平等に扱ってほしい」という意識がある。前回のモービー村における13世帯への援助は、すべて貧困層を対象としたため、JMCCからその執行を依頼され担当した村長は、特に若い新人村長でもあったため、富裕層からの“平等に”という苦情に悩まされた。こうした富裕層は自らの働きかけによってイスラム団体から“平等に”家の骨組み援助を受けるに至ったが、既に住む家が別にあり、今回モービー村で援助を行うと、“別荘”建築援助となりかねないので、この村での援助は行わないこととした。
この地域における海外からの援助は、モービー村やチョウンチン村のような三角州に位置する農村が特に対象となっており、デーダイェー市内は見落とされがちであることは否めない。特に援助の対象からはずされてしまっているのが、不法占拠スラムの住民である。最貧困層であるにもかかわらず、不法ゆえに援助されにくい状況にある。こうした住民はイスラム団体からの骨組み援助も受けることができず、今回のJMCCの家の建築支援に関しても、本来の趣旨からすれば最優先すべき対象であるが、現地の協力者からは支援対象とはしづらい、と判断されている。当局からの退去が行使された場合、援助が無駄になってしまうことを恐れているのである。こうした住民への支援は今後の活動の課題である。
⑤ヤンゴンでのチャリティライブ
現在アメリカ在住のビルマ人女性歌手ニニウィンシュエが折りしも一時帰国していたため、伝統歌謡の世界で人気・実力とも一流の彼女を迎え、前回と同様に現地の状況を伝えて支援を継続していくためのチャリティライブをヤンゴンで行った。(後日その様子のビデオをアップする予定)

会計
 ①寄付金 2,209,921チャット (196,683円)
 ②援助執行額2,202,000チャット(195,978円)
 ①-②7,921チャット(705円)
 ※7,921チャットは次回の支援へ繰越
援助執行額
摘要金額(ks)備考
民家の建設1,600,000 デーダイェー市内(予定)
民家の建設500,000 チョウンチン村(予定)
 タクシー代80,000 
 謝礼10,000 
 食事代12,000 
合計2,202,000(195,978円)
■第5回支援活動実施報告会■
2010年1月17日(日)19:00~21:30
会場:JMCC日本ミャンマー・カルチャーセンター
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