ベーダーラン青少年協会と提携

ベーダーラン青少年ボランティア協会のメンバー(中央が創始者のウ・ダマタラ師)

■メイッティラー市の小さな慈善団体
ビルマでは、「社会への貢献」が人々の間で習慣として根付いているため、その種の活動が盛んです。各地域には小規模な民間の慈善団体が数多く存在し、この「ベーダーラン青少年ボランティア協会」もそのうちのひとつ。ビルマにおける慈善団体は、たいてい僧侶あるいは地域の名士によって設立されますが、同協会も、長きに渡って英語や日本語を教えている僧侶のウ・ダマタラ師が1999年にメイッティラー市内のゼーゴーン僧院における寺子屋教育の延長線上で設立したものです。

その主な活動内容は、「孤児の救済」「AIDS患者・ハンセン病患者への医療品援助」「経済的に困難な児童・生徒への就学援助」。創始者のウ・ダマタラ師を中心に、学生や自営業者などの地域住民19名の運営で発足しました。

■ビルマの慈善団体
ビルマではこういった慈善団体の設立が、政治関係以外ならば、登録なしで自由に行うことができます。ただしその場合は、政府からの援助がありません。にもかかわらず、実状は小規模な団体の場合、多くが未登録。「地域住民の相互扶助」という活動にとっての最善の選択が、自由度の高い「未登録」ということのようです。「ベーダーラン青少年ボランティア協会」も、同様に未登録団体であり、後援団体もないため、活動は純粋に人々からの寄付のみによって運営されています。

マダヤー市ナンダーミャインにあるハンセン病患者の治療所

マダヤー市ナンダーミャインにあるハンセン病患者の治療所

■ベーダーラン青少年ボランティア協会の状況
同協会における活動の規模を年間の寄付金額で見ると、設立当初の1999年が約5000チャットで、以後インフレの進行もあいまって、2002年度は約26000チャットとなっています(1チャット=約0.1円)。日本円に換算してしまうと3000円に満たない程度の少額ですが、現在はこれで、患者たちへは輸血や点滴などを、そして孤児や就学困難な児童へは食料や文房具などを援助しています。それにかかる最低費用は、点滴1回200円、輸血用血液1本150円、最低級米1ピー(2.56リットル)30円、ノート1冊5円。ボールペン1本5円。古着が冬服240円、夏服80円といったところだそうです。

こうした同協会の現状は、援助を必要とする人たちの多さからして、活動資金がまったく足りないといえます。急激なインフレという経済状況下で、ある程度の活動をするには、1年間で10万チャット(約1万円)は必要だそうです。例えば、チャウセー市レッパン村のウ・タンアウン医院に入院しているAIDS患者の対処療法にかかる費用は、1人あたり1ヶ月で最低3000円。またマダヤー市ナンダーミャイン村にある治療院のハンセン病患者にかかる1ヶ月の食費は1人につき2000円程度。現状の活動資金は、これらに対する援助としては、あまりに微力といえます。

メイッティラー市トーマ村近郊の孤児院

メイッティラー市トーマ村近郊の孤児院

ただ同協会の活動は、単に金銭的な援助だけではありません。会員は、一人ひとりに対して励ましの言葉と微笑をかけることで、苦しみが少しでも和らぐよう、心がけているそうです。

現在、活動資金は、ウ・ダマタラ師に対する地元住民からの寄進の他、同師の語学教室の生徒たちや窮状を目にした外国人旅行者からの寄付に頼っているという状態です。

(このページの写真は全てウ・ダマタラ師の提供)